世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
201609<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201611
「夜尿症矯正合宿」第10話 tetsuyaさん作

『夜尿症矯正合宿』 第10話 by tetsuya

しばらくすると駐車場に一台のマイクロバスが入ってきた。
バスの横には○×テニスサークルの文字が。
多分このスポーツセンター内にあるテニスコートを借りるのだろう。
一ヵ月前、帰りのバスの中から俺のオネショ布団は鮮明に見えた。
多分バス内の人達はこのオネショ布団にもう気付いているだろう。
そう思うと俺は言いようのない恥ずかしさに襲われるのだった。
それは木田や杉本も同じだったらしく、二人ともうつむいて顔を紅潮させている。
そんな二人の姿が、俺には何となくかわいく思えた。

バスは止まり、中から人がぞろぞろと降りてくる。
小さな子供が何やら俺たちの方を指差している。
大人がそれをなだめるように子供の手を引っぱる。
何を喋っているのかは分からないが、笑い声も時折混じって聞こえてくる。
いくら見ず知らずの人とはいえ、他人にオネショ布団を見られるのは苦痛だった。
それは木田や杉本も同じだろう。

木田が不意に口を開いた。
「俺。脱走する」

「脱走ォ~!?」
杉本が木田の方を驚いた顔で見た。
「こんなの俺は耐えられない。こんな惨めな思いをするためにここに来たんじゃない!」
「でも・・・そんな格好で・・・」
俺はそう言って木田の股間を見つめた。まだオネショの跡が鮮明に残っている。
「夜になれば乾くさ」
「ここは山の中だぜ! 逃げるっていっても徒歩で街まで帰るなんて無謀だよ」
「この辺を通る車はいくらでもある。トラックとか、観光バスとか・・・」
木田は決心を固めているようだった。

「君がそこまで決心を固めているのなら俺は止めたりはしない。ただ・・・見つかるなよ!」
俺は木田の肩に手をやった。


9時になり、俺たちはようやくこの罰から解放された。
その後は夜尿症治療の講義、昼からのレクリェーションはテニスと、特にトラブルもなく進んでいった。

夕食が終る頃には俺を含む濡れた3人のジーンズは殆ど乾いていた。
布団も取り込みを終えた。
アンモニア臭とシーツには黄色いシミが残ってはいたが、一応乾いている。
夕食が終り風呂にも入ったが、せっかくさっぱりしてもまた同じ汚れたジーンズに
Tシャツ、ブリーフを着なければならず、何の為に風呂に入ったのか分からなかった。


夕食が済んでから木田の姿が見当たらなかった。
「あれ?木田さんは?」
同室の野村が聞いてきた。俺は何にも知らないといった顔で、
「さあ・・・風呂にでも入っているんじゃないの?」
と言っておいた。
だが、消灯時刻になっても木田の姿が見えないとなると、さすがに知らん顔をするわけにはいかなかった。
野村や寺上も心配するし、 室長としてスタッフに報告せねばならなかった。
俺は木田がうまく逃げていることを祈りながら遅めにスタッフに報告する。
吉川は今朝のこともあり、さすがに驚いているようすだったが、相沢は一言、
「多分脱走したんでしょう。毎年必ず一人二人いるんですよね」
俺は何も言わなかった。余計なことを言ってバレてしまったら意味がない。
「まぁこの辺りはずっと一本道だから逃げるルートって限られているんですよね。 
中川さん。いつ頃からですか?木田さんの姿が見えなくなったのは」
「ん・・・んーと・・・食事が終ったくらいだったかな?」
「ちなみにあなたも室長としての責任がありますからね。 あとから罰があると思います」
俺にも罰が・・・なんということだよ!ちくしょう!!
俺は今さら思ってみてもしょうがないことだった。


木田は暗い山道を、スポーツバッグを抱えて歩いていた。
杉山が持って来ていた懐中電灯を借りたおかげでスムーズに歩けた。
あとは車が通りかかってくれれば・・・
民家に泊まるという手もあったが、オネショ癖の治らない木田が安心して泊まれるわけがなかった。

小一時間歩いた頃だろうか。 
木田の携帯にメールが届いた。メールは中川からのものだった。
「これから来る車シビックはスタッフの車だ! 身を隠せ!」

それから2分ほどすると後ろから車のヘッドライトが近づくのを感じた。
あれだ・・・俺を追ってきたんだ・・・木田はすぐ傍のしげみに身を隠した。
車はゆっくりしたスピードで木田の前を通りすぎて行った。
確かにシビックだった・・・危ないところだった。
一応危険は去ったもののあとどのくらい歩けばこの山道を抜けられるのか・・・
木田は段々と心細くなってきた。時間は10時を過ぎている。
さすがにこの時間にこの辺を走る車もないように思われた.

そのとき・・・前方から車が近づいてきた。
さっきのシビックが帰ってきたんだろうか?そう思いよく目をこらした。
月灯りがほのかに車を照らすが、車の輪郭が明らかに違うことに気付いた。
「シビックじゃない! 軽だ」
木田は我を忘れてその車に懐中電灯のライトを向けた。
車が木田の前で止まる・・・
運転席の窓が開いて、一人の青年が顔を出した。
「どうしたんだ?」
「道に迷ってしまって・・・街に出たいんです」
「こんな時間にまたどうして・・・」
青年は不審そうな目で木田を見た。
「訳は後で話します。とりあえず山を降りたいんです!」
木田は強い口調で言う。青年は「じゃあ乗れよ」と助手席を顎で指して言った。
木田はやっと助かった・・・というように大きく息を吐き、青年にありがとうございますと頭を下げた。
車は発進した。
けれど今来た道を戻ろうとしているではないか!
「あの・・・! 方向反対ですよ!」
「これでいいんだよ。だって君は夜尿症矯正合宿のメンバーだろ!」
「え!何でそれを・・・」
「俺の顔に見覚えあるだろ」
木田は青年の顔をはっきり見た。
ああ・・・この人・・・それは最初にここへ来るときバスを運転していた石田だった。 

第11話に続く

テーマ:お漏らし・放尿 - ジャンル:アダルト

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.