世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
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「僕の兄貴は夜尿症」第4回
tetsuyaさんから「僕の兄貴は夜尿症」第4回が送られて来ました。これから先、兄弟の関係が新しい展開をしていきそうです。


「僕の兄貴は夜尿症」第4回(tetsuyaさん作)

「何してる!」
兄貴は声が響かないように小声で言ったが、その声は明らかに怒気を含んでいた。
僕はその場から動けずただただ蛇に睨まれた蛙のように顔だけ兄貴の方へ向けたままだった。
「何してんだよ!!」
もう一度兄貴は強い口調で言いながら僕の肩を掴んで自分の方へ向けさせようとした。
成すすべもなく振り向く僕。僕は下半身を丸出しにしていた。
「!」
兄貴は驚いた目で僕を見ると何が何だか分からないという風に口をポカンと半開きにした。
下半身をぐしょぐしょに濡らし小便の臭いを漂わせている兄と
下半身を丸出しにして突っ立っている弟
気まずい空気が流れた。時計の秒針の音だけがまだ朝になりきらない部屋の空気を横切った。
「どういうことだよ…」
先に口を開いたのは兄貴だった。
さっきとは違った落ち着いた声に何だか落ち着いた僕は嗚咽を漏らした。
「ご…ごめんなさい…」
声を殺して泣きじゃくる僕をどうしたものかと困った顔で兄貴は僕を見ている。
「とりあえずここから出てけよ。今日のことは忘れるから」
「僕…ぼく…」
「…何だ?」
「…あ…兄貴のことが…す…好きだから…」
搾り出すように言った僕の言葉に明らかに兄貴は困惑していた。
「す…好きって…いったい」
僕はそれ以上もう何も言わず兄貴の部屋を出た。
自分の布団にもぐりこんでも涙は止まらなかった。
兄貴は僕のことを軽蔑するだろう。もう普通には接してくれないかもしれない。
そんな考えが頭の中をぐるぐるを駆け巡ったがもうどうしようもならない。
いつしか僕は泣き疲れてしまったのか再び眠りについていた。

それから暫く僕ら兄弟は会話らしい会話をしなかった。
僕も兄貴もお互いに気まずい空気をどこまでも引きずっていた。
もともと兄貴はサークルやバイトで忙しいということもあり、
歳も離れているために会話の量が以前はとても多かったというわけではないんだけど。
その後も兄貴は週3回のペースで順調にオネショをしていたが、僕は以前のように起きだすことはなかった。
たとえ物音で目が覚めても自分の部屋から出ることはできなかった。
もう一度同じように見つかってしまったらそれこそ一巻の終わりだろう。
それでもたまに兄貴のいない昼間には外に出て兄貴のオネショ布団の臭いを嗅いだりしていた。

あともう少しで夏休みも終わってしまうというある日の夜、僕は部屋でゲームをしていた。
「篤 入ってもいいか?」
ドアの外から聞こえてきたのは兄貴の声だった。
僕は驚いてコントローラを放り投げた。今まで僕に接触しようとしなかった兄貴が何で今…
兄貴は僕の返事も待たずに入ってきた。
「俺も一緒にゲームしていい?」
僕は黙ってうなずいた。再びコントローラを持つとリセットボタンを押した。
二人は沈黙のままゲームを始める。相変わらず気まずい雰囲気はそのままだった。
僕はテレビの画面を食い入るように見つめてゲームに集中した。
「あぁ~やられた…」
二人で協力して進めていくアクションゲームなんだけど、兄貴が先にゲームオーバーになった。
兄貴はコントローラを置いて寝転がった。
「さすがにゲームやり慣れてる現役中学生は強いな…」
「ま…まぁね…」
僕は上ずった声で返事をした。
「昔はよくこうやってゲームやったなぁ。いつも篤が負けるもんだから泣きべそかいちゃって」
兄貴は僕の方をチラッと見て笑った。
兄貴の声にどうもゲームに集中できず、
もう殆どクリアしたゲームなのにいつもより早く僕もゲームオーバーになった。
コントローラを放り投げる。
「篤…」
兄貴が低い声で言った。
「思春期の頃ってさ、同性に憧れてしまう時期って誰にでも多少あるんだってさ」
兄貴の声に僕は唾を飲み込んだ。
「だからさ、もしそのことで悩んでたりするんだったら一時的なもんだから、いずれ女のコのことも
 好きになってくるから気にすんなよ。な」
兄貴は起き上がって僕の目を見た。そんな優しい目で見ないでよ…
「でも…今は…」
僕は兄貴の前で久しぶりに口を開いた。
「うん。まぁ今はそれでいいよ。もう何にも言うな」
「じゃあ…」
「じゃあ?」
僕は少しためらって続けた。
「一緒に…寝たい」
兄貴の動きが一瞬止まった。しばらく沈黙が続く。
多分このとき兄貴は二つのことを考えていたと思う。
一つは男同士で一つのベッドで寝ること。そしてもう一つは兄貴がオネショしてしまうこと…
弟の願いを受け入れても自分のオネショに弟まで巻き込んでしまう恐れがある。
僕としてはむしろ巻き込んで欲しいんだけど。
でも兄貴からすればそんな至近距離から自分のオネショを見られてしまうのはきっと屈辱なはずだ。
「それは…無理だ」
兄貴が振り絞るように言った。
「お願い。一度だけでいいから。一度で」
「だって…」
兄貴は言葉に詰まった。兄貴が言いたいけど言えずにいる言葉を僕が続けた。
「オネショしたって気にしないから」
「…」
兄貴の顔がカーッと赤くなった。7つ下の弟から発された「オネショ」という言葉。
今までずっと二人の会話の中で避けてきたその単語をきっと初めて僕は兄貴の目の前で言ったはずだ。
そしてそれはたとえこの状況であったとしても絶対に言われたくなかったはず。
「俺が……気にするよ」
兄貴は消え入りそうな声で言った。
カッコいい兄貴が恥ずかしそうにしているその姿が僕の心に火をつけた。このまま引き下がりたくない!
「じゃあ1時間とかだけでもいいから。眠くなったら自分の部屋に戻るし。それまでだったらいいでしょ?」
兄貴もそれなら問題ないと思ったのか、
「あ…そうだな。そのくらいだったら大丈夫だな」
と自分に言い聞かすように言った。

第5回>につづく

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