世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
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『僕の兄貴は夜尿症』第11回

tetsuyaさんから待望の続きが送られてきました。tetsuyaさんありがとうございます。さっそくアップいたします。今回から新しい展開があり、興奮しました。この先がほんとうに楽しみです・・・


『僕の兄貴は夜尿症』第11回(tetsuyaさん作)

「後藤雄介…」
どこかで見たことのある名前だな。
俺は机に置かれた問診票に目を落とした。
「いいよ。次呼んで」
俺は診察室の入り口付近にいた若い女性看護士に声をかけた。
彼女は俺の声に弾かれるようにドアを開けると、待合室に向かって呼びかけた。
「後藤さーん。後藤雄介さん」
ドアの向こう側からおどおどと看護士に続いて顔を覗かせたのは大学生くらいの青年だった。
「?珍しいな…」
ここは俺が経営している小児科医院だ。
毎日毎日小学生くらいまでの子供なら見飽きるほど見ているが、こんな青年がここに何の用だろう?
「どうしました?」
俺は丸椅子に座った彼に声をかけた。
何か言いたそうに口ごもっているが、なかなか喋ろうとしない。
「えーと?付き添いの方じゃないんですよね?」
「あ、はい。僕自身です…」
彼が蚊の鳴くような声でやっと答えた。
端正な顔立ち、浅黒い肌、背の高いいわゆるイケメンという部類の彼にそぐわないこの場所とこの態度。
「何かありましたか?」
俺はちょっときつい口調で言った。話してもらわないと問診は進まない。
「あ、あのぉ…実は…夜…」
「夜?」
「漏らしたりすることが…」
声を発しているのかいないのか分らないくらいの小声で言った。俺は思わず「え?」と聞き返す。
「お…おねしょが…」
「オネショ!?」
俺は思わず大きな声を上げていた。
近くにいた2人の看護士もこっちを振り向く。
「あ…はい…」
大きな声でオネショと言われて困惑したようだった。彼の顔がどんどん紅潮していくのが分る。
俺は一瞬にして思い出した。そういえば昔ここにオネショ治療に来てたヤツがいた事を。
「もしかして昔…」
「はい。でも…先生は…」
「あぁ…あれは私の親父だよ。3年前に亡くなってね。俺がこの医院を継いだんだ」
「そうなんですか…」
彼はちょっとがっかりしたようだ。当時の主治医に話を聞いてもらいたかったんだろう。
彼のことはよく憶えている。当時中3だったか。
最初は母親に連れられその後は半年ほど一人で通院していた。
俺も結構カッコいい中学生が、しかもオネショの治療に通ってきてるということで
医大生だった俺は親父の仕事を手伝うフリをしてこっそりカルテを盗み見してたものだ。
その後ぱったり姿を見なくなったんですっかり治ったものと思ってたが実はまだオネショが続いていたとは。
ここは親父がいないからといって帰す訳にはいかない。
久しぶりに見つけた獲物だ。俺は心の奥で爪を研いだ。
「親父はいないけどカルテは残ってるよ。当時の記録を参考に治療を進めることはできるけど」
俺は相手をなだめるように言った。
「は…はい…」
彼は俯き加減に言った。
「昔ここに来てた頃と比べて今はどうなの?君のオネショは。」
俺はわざと会話の中に「オネショ」という単語を組み込む。
「確か昔は一晩で2回も失敗する日もある重度の夜尿症児だったよね?」
彼のことなら正直カルテを見なくても分かる。
だって彼の端正な顔立ちとギャップありすぎのカルテをオカズに何度も抜いていたのだから。
暗記してしまうくらい彼のカルテは読み耽った。
当時のあどけない表情は今ではすっかり消え、大人の顔つきになっている。それが余計に俺の欲情を昂ぶらせた。
「今は…週3回くらいです」
俯いたまま彼は答える。耳が真っ赤になっている。
「そうか。じゃあ少しずつ良くはなってきてるんだ。今は大学何年なの?」
「2年です」
「大学2年生で未だに週3回もオネショしてるっていうのは…重度であることに変わりはないな…」
「はい…」
何だか泣き出しそうな声だった。かわいい。
「オネショなんてまったくしなさそうな感じなのになぁ…でもたまに高校生とか大学生くらいの人もウチにくるよ」
俺は彼を安心させようとありもしない嘘をついた。
「ほんとですか?」
彼は少なくても仲間がいることを知ってやっと俺の方を見て言った。
「うん。ただ、彼らもオネショするとはいえ月1、2回とか今にも治りそうな感じの人の方が多いね。
 君みたいに成人したけど週3回オネショっていうのは初めてかな…」
俺は彼の希望を打ち砕くように意地悪な返答をした。
この広い世界でこんな歳になって未だにオネショしてるのはお前だけだっていうように。
「そうですか…」
彼は気落ちした顔でまたうつむいた。かわいい。
「まぁでも寝ションベンなんて死ぬような病気じゃないんだ。今は昔と違っていい治療法も研究されてきてるし。
 どう?よかったら2~3日ウチに泊りこんで治療を受けてみないか?」
「泊りこみですか?!」
彼は驚いたようだった。通院ならともかく医者の家に泊まりこむなんて…と思ったのだろう。
「いろいろ現在の状態を調べてみたいしね。君に合った治療法が見つかるかもしれないし。通院よりもいいと思うけど」
「でも…お金が…」
「お金は気にしなくてもいいよ。その代わり学会に発表する治験に協力してくれたら」
「発表ですか?」
「大丈夫。君の名前が出たりすることは絶対にないから」
「…」
彼はしばらく考えて言った。
「一度家で考えてみてからでもいいですか?」
俺は彼の言葉を遮るようにちょっと強い口調で返した。
「考える?お母さんに相談でもするのか?」
「いや…ワンクッション置いてから…」
「本気で君は夜尿症を治したいって考えてるの?」
「え…!?」
「このままでもしょうがないやとか思ってたら一生君はオネショ小僧のままだぞ」
「…」
オネショ小僧と言われて彼はちょっとムッとしたようだった。
「毎日毎日布団に世界地図描いてちゃ結婚もできないよ」
「毎日じゃありません!!」
彼は気色ばんだ。
「君の親御さんだっていろいろ気を遣ってあまりはっきりと君のオネショについて物を言わないのかもしれないけど
 俺ははっきり言うよ。治そうという強い気持ちがないと絶対に治らないから。この夜尿症という病気は」
「…治したいですよ…」
もう彼は泣きそうな表情だった。20歳を越えた大学生がオネショを責められて泣きそうになってる…
俺はこの願ってもないシチュエーションに不覚にも勃起してしまった。
「じゃあ次の連休でもいいからウチにおいで。最新の治療を用意して待ってるから」
「…はい」
彼、後藤雄介は蚊の泣くような声で答えた。
「ほら。暗い顔すんじゃないよ。イケメンが台無しだろ」
俺は彼の肩を両手で掴んだ。何かスポーツをしてるんだろう。がっしりとした肩だった。
「そういえば君って歳の離れた弟がいたよね?」
「はい。います」
「もう結構大きくなってんだろうね」
「今中2です」
「中2かぁ…そっかぁ~当時君について来てたのをよく見かけたけどあの小っちゃい子がもうそんなに…
 弟はオネショするの?」
「…いや、しません」
何でそんなことを聞くのかという目で俺を見た。というより執拗にオネショ、オネショとオネショという単語を
連呼する俺に辟易していたようだった。
「当時も弟くんはオネショもうしてなかったなって思ってさ」
「…」
彼はまたムッとしたようだった。かわいい。
「特に何も持参する必要はないから。晩飯でも食べて風呂に入ってからウチに来てくれよ」
俺は話題を変えた。
「分かりました。じゃあお願いします。」
彼は深々とお辞儀をして診察室を出て行った。
久しぶりにいい連休が過ごせそうだな。
俺は彼のカッコいい後姿をみてほくそ笑んだ。

第12回>につづく

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