世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
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『僕の兄貴は夜尿症』第10回
tetsuyaさんから待望の小説が送られてきましたので、早速アップいたします。ストーリーも新たな局面に入って、読んでいるとハラハラします・・・


『僕の兄貴は夜尿症』第10回(tetsuyaさん作)

「篤!!」
凄い剣幕で兄貴が僕の部屋に入ってきた。
兄貴がデパートでお漏らしをしてから3日。サークルの連中にでもバレたのか。
僕はベッドに寝転がって漫画を読んでいた。
「篤…お前…何てこと言うんだっ!」
僕は漫画から目を逸らさずに
「どうしたの?」
と聞いた。
「何で安田が俺の…俺のあのことを知ってんだよ!」
「あのことってな~に~」
「しらばっくれるな!ね…寝小便のことだよっ!!」
自分で口にするのはさすがに恥ずかしいのか兄貴は寝小便のところだけ小さい声で言った。
「もうバレたって構やしないじゃん。あんなに派手にションベン漏らしたくせに」
「うるせぇ!」
兄貴はそう言うと僕に掴みかかってきた。
「お前に…俺の…気持ちなんか…分かるかよ!!!!」
兄貴は僕を殴ろうとした。僕は反射的に逃げる。
体格差がありすぎるのだ。捕まったらたまらない。僕は階段を降りリビングに逃げ込んだ。
リビングではお袋が夕食の支度をしていた。
「母さん!」
僕はお袋の背後に回りこんだ。兄貴が続いてリビングに入ってくる。
「な…何…何よ!?」
お袋も何が何だか分からないといった顔をしていた。兄貴が肩で息をしながら僕を睨んでいる。
「何があったの?」
お袋が夕食を作る手を止めて言った。
「こいつ…俺の寝小便をフットサルの後輩にバラしやがった」
兄貴はそう言うと喚いて僕に掴みかかろうとした。
「やめなさい!!」
お袋が珍しく大きな声を出した。そして僕の方を見て言った。
「ほんとに言ったの?」
僕はこくんと頷いた。
「だって…判ってくれそうな優しい人だったから…」
僕は何だか悔しくて泣いた。兄貴のことを思って言っただけなのに…というフリをして。
「あいつはそんなヤツじゃねーよ!今日サークルに行ったら『先輩!今でもオネショしてるらしいッスね!』って
 大声で皆の前で言いやがったんだ!何で俺がこんな目にあわなきゃなんねえんだよ!」
そう言うと兄貴は大声で泣き出した。さすがによほど悔しかったのだろう。
後から知ったことだけどあの安田って人は結構なお調子者で、
サークルの面子からあんまり快く見られてないらしい。
そんな人にお漏らしを見られてしまった以上、どうせ兄貴の立場が悪くなるのは明らかだったはず。
後輩や同輩の目の前でオネショやオムツをバラされた上にからかわれ、怒りから安田を殴ってそのまま
サークルを飛び出してきたらしかった。
泣きじゃくる息子2人を前にさすがにお袋も参ったようだった。
「雄介。やっぱり病院に治療に行きましょ。治してしまえば何の問題もないじゃない」
お袋は兄貴の肩に手をかけて言った。
「治んねーよ!」
兄貴がお袋の手を振り解いて叫んだ。
「子供の頃だって散々病院に行ったじゃねーか!あんな恥ずかしい思いもうしたくねーんだよ!」
「でもこのままってワケにもいかないでしょ!!一生そのままで過ごすつもりなの?」
お袋も段々ヒートアップしてきている。何だかこの空気とってもヤバイかも…
「何で…何で俺…何で俺だけ治んねーんだよ… 何でなんだよ…」
兄貴の顔は涙と鼻水でぐしょぐしょになっていた。
カッコいい兄貴の顔が何だか変顔になってしまってるのが何故か僕にはエロく感じた。

あれから10日。兄貴は大学にも行かずただ引きこもっていた。
部屋から出てくるのは風呂とトイレの時だけ。あ、あとオネショの後始末の時もだ。
山下さんという兄貴の彼女が訪ねてきたりもしたのだが、兄貴は全く動かない。自宅にかかってくる電話さえも出ない。
僕はさすがに親父に怒られた。両親も打開策を見つけられず困リ果てていた。

ここは僕が動かなければ。

もともとこんな事態を作ってしまったのは僕だ。でも元を正せば本当の原因は兄貴のオネショだけど。
僕は夕飯を終えて兄貴の部屋の前で深呼吸をした。足下には兄貴が使った茶碗や皿が置いてある。
「雄くん」
僕はそう言うとドアノブに手をかけた。意外にも鍵は開いていた。
閉め切っているせいか兄貴の部屋はいつもより小便臭かった。
上下スゥエットのままベッドの上に寝転んで兄貴はゲームをしていた。
「入るなよ。お前の顔なんて見たくねぇ」
僕を一瞥すると、またゲーム画面に目を落とした。
「ごめんなさい」
僕はその場で土下座した。
兄貴は僕のそんな行動に少し驚いたようだった。澱んだ空気がしばし流れる。
「絶対に許さねーよ」
兄貴は自分に言い聞かすように言った。
「でも…兄貴…」
僕は土下座で顔を下に向けたまま続けた。
「兄貴、あの時勃起してたよね?」
「はぁ?」
兄貴の顔が赤く色づくのが顔を見ないでも分った。
「あの時ってなんだよ!?」
僕はさらに続けた。
「兄貴が安田さんの前でオモラシしたとき」
「はぁ?」
と兄貴は言うと僕の腕を掴み顔を持ち上げた。
「何適当なこと言ってんだよ。もうお前は俺の弟でも何でもねぇ。二度と俺の前に顔を出すな!」
「弟じゃないでしょ?兄さんって呼ばなきゃ」
僕は兄貴の目をまっすぐ見て言った。
バキッ!!
兄貴が僕を殴った。口の中で鉄の味がした。ドアに頭を打ち付けて痛い。
僕はカッとなって兄貴を睨みつけながら一気にまくしたてた。
「俺だってそんな寝小便ばっかしてるヤツが兄貴だなんて恥ずかしいわ。悔しかったら寝ションベン治してみろよ!」
「な…何だと!!」
兄貴は一番言われたくない痛いところを突かれた悔しさで何ともいえない複雑な顔をした。
「もう絶対兄貴の包茎チ●コ弄ってやらないからな!どんなに頼んでもしゃぶってなんかやらないからな!!」
兄貴は無言で俺を部屋から押し出した。
「やーい!寝ションベンタレ!!幼稚園児!!短小包茎!!!大学生のくせに毎日毎日布団に世界地図描いてんじゃねーよ!!!!」
ドアが勢いよく閉められる。僕は閉ざされたドアに向かって兄貴を罵倒し続けた。

第11回>につづく

テーマ:GAY - ジャンル:アダルト

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