世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
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翼に会いに(その5)
前の夜、ちょっと頑張り過ぎたので、午前中は部屋でまったりとしていた。ブランチをテラスで食べてから、ぼくたちはホテルのツアーに参加するために、ロビーに行った。
その日のツアーの参加者は、ぼくたち二人と、スイスから来たという老夫婦であった。仲の良さそうな老夫婦とあいさつをする。二人はスイスのドイツ語圏に住んでいて、ドイツ語はもちろん、フランス語も普通にしゃべれるようだ。そして旦那さんの方は英語も堪能みたいだった。ツアーは英語であったが、若い男性ガイドは英語の他に、日本語もけっこうできる人だった。
ワゴン車に乗ってホテルを出発し、まずはホテルから車で30分ほどのところにあるエフェスの遺跡に行った。エフェスはローマ時代には交易で栄えた大きな街で、今はフォロ・ロマーノのように建物は崩壊していて、完全な形では残っていない。
エフェス
それでも当時の石畳のメインストリートの両側には列柱の名残があり、昔の壮麗なさまを想像することはできる。ガイドは英語で説明するので、老夫婦の旦那さんの方と翼はウンウンとうなずいているが、奥さんの方とぼくは完全には理解できないので、わからないところを旦那さんの方はドイツ語で奥さんに説明し、翼はぼくに日本語で補足をしてくれていた。
直:それにしても思ってた以上に大きな遺跡だね。
翼:オレもちょっと驚いた。
直:正面の遠いところに見えてる建物が、図書館って言ってたっけ?
翼:そう、ケルスス図書館のファサードの部分かな。
直:こっちからみるとけっこうちゃんとしてるみたいに見えるけどね。
翼:正面の壁の部分だけ残ってて、建物本体は崩れてるみたいだよ。
直:ふうん、そうなんだ、昔はすごかったんだろうなあ・・・
ぼくたちはガイドに連れられて、遺跡の中を順番に回っていった。昔港だったあたりはもう土に埋もれて、想像することすらも難しいくらいだ。あまりにも廃墟ばかり見てまわって、ちょっと飽きてきたころ、遺跡の出口に着いた。
そこから車に乗って、10分ほど山を登ると、小さな教会に着いた。
マリエマナ
この石造りの小さな教会が、キリスト教の聖地なのだそうだ。なんでも、使徒ヨハネといっしょに聖母マリアはエフェスの街に来て、この教会の建っているあたりで天に召されたらしい。中に入っていくと、各国語をしゃべるシスターがいて、説明をしてくれた。
直:マリア様ってこんなところで亡くなったんだ・・・
翼:ホントだね、エルサレムからここまで来るのは大変だったんだろうね。
直:でも考えて見れば、ローマ時代はエルサレムもここもローマもさらにイギリスも同じ国の中だったわけだから、今考えるよりは容易に来られたんじゃないかなあ・・・
翼:そう考えると、ローマ帝国ってすごいね。
直:マリア様って64歳で亡くなったって言ってたね。
翼:でもキリストのほうも本当は何年に生まれたかはっきりわからないんでしょう?
直:だからどっちも伝説なんだろうけどね。
翼:でもなんかここ空気が澄んでるような気はするね。
見学を終えて教会の外にでて、ぼくはトイレに行った翼を待っていたら、スイス人の夫婦が話しかけてきた。
旦那さん:君たちは日本人? それでキリスト教徒なのか?
直:はい、日本人です、それからキリスト教徒じゃないですね。
奥さん:じゃあ、仏教徒?
直:基本的にはそうですね、でもあんまり考えたことないから。あなた達は?
奥さん:私たちはカトリックなの。
直:スイスの人はプロテスタントだと思ってました。カルヴァンってスイスの人でしょう?
旦那さん:彼はフランス語圏の人だけどね。もちろんドイツ語圏にもプロテスタントはいるんだけどね。
奥さん:あなたたち二人は、学校の夏休みの課題のために旅行してるの?
直:へっ? 
奥さん:たぶん、あなたは大学生で、もう一人は高校生でしょう?
直:ハハハ、ぼくたちはもう働いてますよ。
奥さん:若いのにえらいわねえ。
そんなことを話していると、ガイドが出発すると言いに来たので、車に乗り込んだ。
聖母マリアの教会を見学したあと、ツアーはセルチュクの街にある博物館に行った。そこにはエフェスの遺跡から出土したものが多数展示されていた。なかでも豊穣の女神であるアルテミスの彫刻はほぼ完全な形で残っているので見ごたえがある。それにしてもこれだけたくさんの乳房が付いてたら重いのではないかと思ってしまう。
翼:すげえ、さすがに豊穣の女神・・・
直:ノンケはこれ見て興奮するのかなあ・・・
翼:さすがドスケベの直らしい意見・・・
直:でももしも豊穣の男神があったとして、チンポがこのくらいたくさん付いてたとしても、あんまり興奮しないか・・・
翼:バ~カ、いつもろくなことを考えないんだから・・・
そして最後に使徒ヨハネの教会を見て、ツアーは終わった。あとはホテルに向けて戻るだけだった。ぼくたちはホテルのある街の中心街で降ろしてもらい、海辺の気持よさそうなテラスのあるシーフードレストランで夕食を食べた。
ホテルに戻ると、テラスのイスに座って、夜の海を眺めながらぼくたちはビールを飲んだ。
翼:直、今夜はめずらしく、オレのことをベッドに誘わないね。
直:無理やり押し倒したほうがよかったのか?
翼:そうじゃなくて、スケベの直にしてはめずらしいなと思って・・・
直:こっちに来るまでは、久しぶりに翼に会うんだから、夜になったら毎晩やりまくろうと思ってたけどね。
翼:そうそう、それが直の本性だよね。
直:なんか昨日翼とできて、やっぱホントに好きなヤツとするのがいちばん満足するんだなって思った・・・
翼:げっ、それってオレに愛の告白してくれてるの?
直:バ~カ、今更告白するような関係じゃないだろうが・・・
翼:でも直がそう言ってくれると、オレはうれしい。
直:じゃあ、翼がいちばん好きだよ。
翼:「じゃあ」はよけい。
直:翼がいちばん好きだよ。
翼:オレも直のことがいちばん好き。
ぼくたちは言葉をかわすだけで、心が通じ合うことの喜びを感じていた。
直:ちょっと眠くなってきたね、昨日はあんまり寝られなかったから・・・
翼:じゃあ、オレがかわいい妻をベッドまで運んであげるね。抱いてあげるから、ちょっとだけ協力して・・・
そう言われてぼくは翼が抱きやすいような体勢をとった。
ベッドにまでぼくは翼に運ばれて、なんかとても気持ちがやすらいでいた。
二人でベッドに横になり、おやすみのキスをした。疲れていたせいで、ぼくはすぐに眠り始めていた。

テーマ:GAY - ジャンル:アダルト

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