４月29日の夜、**で一人酒を飲んでいると、利彰くんから電話がかかってきた。
利彰君：直さん、今なにしてます？
直：**で飲んでるとこだけど・・・
利彰君：それで直さん、ゴールデンウィークの予定は？
直：30日に八ヶ岳高原に行く予定だけど・・・
利彰君：じゃあ明日はあいてるんですね？
直：まあそうだけど・・・
利彰君：今夜俺、急にひまになったから、直さんちに遊びに行ってもいいですか？
直：別にいいけど・・・
利彰君：じゃあ、とりあえずそっちに行きますね、俺もすこし飲みたいし・・・
直：じゃあおいでよ・・・
利彰君：すぐにそっちに向かいますね。
そう言って電話は切れた。カウンターの中で電話を盗み聞きしていたママが話しかけてきた。
ママ：直、誰と電話してたのよ？
直：利彰くんだよ。
ママ：キャーっ、あの子来るの？
直：もう少ししたら来るって・・・
ママ：直のまわりは不思議とイケメンが多いけど、その中でもあの子はダントツよね、あたしあの子とだったらいつでもオッケーよ。
直：ママがオッケーでも利彰くんがねえ・・・
ママ：なによ、あたしが本気でナンパしたら誰だってイチコロなんだから・・・
直：相手がゴリラの群れだったらね・・・
ママ：あんた、とうとうあたしを本気で怒らせたわね。
直：そんな怒った顔してると、利彰君も近寄ってこれないぜ・・・
ママ：あら、あたしとしたことが、つい興奮しちゃって・・・
直：あれ、ママ、いつもと違ってしおらしいじゃん。ははん、ママ、また彼氏ができたな・・・
ママ：あ～ら、わかる？
直：マジで彼氏できたんだ・・・　相手はどんなやつなんだよ？
ママ：大学院で絵を勉強してる子なのよ・・・
直：そんで？
ママ：お金がなくて、ときどき売りでバイトしてたらしいんだけど、それならあたしのところに来たらって言ったのよ・・・
直：そいつ、ゲイなの？
ママ：基本的には女がいいけど、気持ちよければ男もだいじょうぶなんだって・・・
直：そんでまたママ、そいつに貢いでるんだ・・・
ママ：失礼ねえ、いい画家になれるように、あたしは応援してるだけ・・・
直：まあ、ママが幸せだったら、ぼくはなにも言わないけどね・・・
ママ：あたしはどうなってもいいのよ、あの子がいい画家になってくれれば・・・
直：ということは今一緒に住んでるんだろう？
ママ：あら、恥ずかし・・・
直：ママがマジで照れると、キモイ・・・
ママ：なんとでも言いなさい、あたしは今幸せいっぱいなんだから・・・
直：やれやれ・・・
そうしているうちに、利彰君がやってきた。
ママ：ああら、トシくん、ひさしぶりじゃない？
利彰君：ママ、お久しぶりです、お元気そうですね。
直：最近ママは元気すぎて困るんだよ。
ママ：なんか、最近ますますトシくん、カッコよくなって・・・
直：ママ、利彰におそいかかるなよ。
ママ：今のあたしはだいじょうぶよ。
直：利彰、急にどうしたんだよ。
利彰君：明日から蓼科に両親と行くつもりだったんですけど、急に両親が葬式に行くことになったんで、俺はひまになったんです。それなら、直さんとこに行こうかなと思って・・・
ママ：まさか、あんたたち、できちゃったんじゃないでしょうね。直、あんたには翼というれっきとした相手がいるんですからね。
利彰君：ママ、心配しなくてもだいじょうぶですって。俺は男とは恋人にならないようにしてますから・・・
ママ：あら、そうなの？　でもあなたみたいなイケメンがもったいないわねえ・・・
利彰君：俺はどうしても幸せな家庭を築いて、子供を作らなければならないから・・・
ママ：そうなの・・・　変なこと聞くけど、あなた女とアレできるの？
利彰君：高校生のころ、一回だけ女の子としたことあるけど、なんとかできました・・・　
ママ：そう・・・　でも男のほうがいいんでしょう？
利彰君：それは、俺は、ゲイですから・・・
ママ：あたしも結婚してるゲイの男、いっぱい知ってるけど、うまくやるのは大変よ・・・
利彰君：それは俺も覚悟してますから・・・
ママ：その点直はいいわよねえ、あんないい相手がいるんだから・・・
利彰君：直さんには遊んでもらってますけど、友達としてですから・・・
ママ：でも、ぶっちゃけあなたたち、どこまでいってるのよ？
直：ぶっ、いきなり直球な質問・・・
ママ：ほら、正直に言ってごらんなさい・・・
直：心配しなくても、たいしたことはしてないって・・・
ママ：たいしたことがないって、どこまでなのよ？
直：まったく、しょうがないなあ・・・　利彰、ママにすこししゃべってもいい？
利彰君：じゃあ、俺から言いますね、直さんとは溜まったときにたまにお互いシコりあうくらいですよ・・・
直：そう、高校生がするみたいな相互オナニーするだけ・・・
ママ：直、それ以上はダメよ、でも翼にはバレないようにしなさい。
そんなことを話しながら、しばらく飲んでからぼくたちはマンションに帰った。ぼくたちはソファに座って、さらにビールを飲み始めた。
直：さっきはあせったぜ、どこまでママに言うのかと思って・・・
利彰君：ママに正直に言ったほうがよかったですか、相互オナニーのほかにお漏らし遊びもしてるって・・・
直：バ～カ、そんなこと言えるわけなだろうが・・・
利彰君：直さんの相手の人は、直さんにオネショ癖があるのを知ってるんですか？
直：知ってるよ・・・
利彰君：まあそうですよね、いっしょに寝てるんだろうから、オネショなんかしたらいやでも気がつきますよね・・・
直：あのなあ、ぼくだってしょっちゅう寝ションベンしてるわけじゃないんだから・・・
利彰君：直さんがオネショしても、愛想をつかさないってことは、相手の人もそのケがあるんですか？
直：バ～カ、利彰と違って翼は寝ションベンなんかしねえよ・・・
利彰君：それにしても、俺も大学生でオネショしちゃうけど、直さんみたいにスマートなサラリーマンが現役のオネショ小僧なんて、すげえ興奮します。直さんは、スーツ着たままオネショしちゃったことないんですか？
直：まえに一度、酔いすぎて帰ってきて着替しないで寝て、寝ションベンしちゃって、スーツを汚したことある・・・
利彰君：うへっ、ホントあるんだ、昼間カッコよくスーツで仕事して、夜になったらそのままの姿で、ガキみたいにオネショして汚しちゃうなんて、萌ますね・・・　見たかったなあ・・・
直：利彰こそ、そんなにモデルみたいにカッコよくて、いつもいい服着てるやつが、じつは寝ションベンフェチで、夜にはベッドを濡らしてるなんて、そっちのほうが萌・・・　
利彰君：ゴールデンウィーク最初の夜ですよ、楽しく過ごしましょう。
直：何するつもりなのかな？
利彰君：直さんのしたいこと・・・
直：したことしちゃっていいの？
利彰君：そう言われるとちょっと不安・・・　（つづく）