朝食を終えて、ホテルを出て、ぼくたちはユングフラウヨッホにまで登山電車で上り、グリンデルワルトを見て、ラウターブルンネンに戻り、そしてミューレンのホテルに午後3時ころ着いた。(スイスの典型的な観光地の様子は省略します。)
まだ早かったので、ミューレンを散歩するためにホテルを出た。教会があったので近寄っていくと、正面のドアが開いて女性が出てきた。ぼくたちを見て、中を見たいんだったらどうぞ、というので、ぼくたちは中にはいることにした。
中では作業服の男性が、パイプオルガンの調整をしていた。ぼくたちが見ていると、調整が終わり、男性は鍵盤の前の椅子に座り、試し弾きをはじめた。弾き終わるとぼくたちのほうを振り返って言った。
男性:いい音だろう。
直:バッハのコラールですね。
男性:よく知ってるね、あんたらの国でもバッハは有名なのか?
直:だいたい知ってますよ。ぼくも弾いてみていいですか。
男性:オルガンは弾いたことあるのかい?
直:はじめてですけど、難しくないコラールだったら弾けるかも・・・
ぼくは有名なバッハのコラールのピアノ編曲版を弾いてみた。タッチがぜんぜん違うので、滑らかに弾けないけれど、なんとか最後までいくことができた。
男性:驚いたね、うまいもんだ。俺は、修理終了の報告をしてくるから、戻ってくるまで弾いてていいよ。
そういって男性は出ていってしまった。
翼:直、うまいじゃんか。
直:パイプオルガンは初めてだったけどね。
翼:直の部屋のデジタルピアノ、飾りじゃなかったんだ。でもオレのまえでは弾かないね。
直:なんか、練習してるの聞かれるの恥ずかしいからね。
翼:もう一曲なんか弾いてくれる?
直:そうだ、今のぼくたちにちょうどいい曲、思い出した。
翼:オレも知ってるような曲?
直:ぜったい知ってるから、聞いてごらん。
ぼくはワーグナーの結婚行進曲を弾いた。ピアノと違って荘重な響きなのでゆっくりと弾く。最初のテーマの部分はちゃんと覚えていたけれど、中間部のあやふやなところは適当に省略して、最後のテーマの部分はちゃんと弾いて終わった。
弾き終えると、ぼくは翼を連れて入り口のところに行き、翼の手をとって、祭壇への通路を、結婚行進曲のテーマを口ずさみながらゆっくりと進んだ。
祭壇の前で、翼に向き合って僕は言った。
直:翼、ずっとぼくといっしょにいてくれる?
翼:・・・、なんかオレ感激して泣けてきた。
直:翼、返事は?
翼:オレでいいのか?
直:翼のほうこそ、ぼくでいいの?
翼の涙で濡れた顔が近づいてきて、ぼくは翼にキスをされていた。ほんとうはぼくのほうから、翼にしなければならないのだけれど、翼に先を越されてしまったのだった。
翼:オレ、めちゃくちゃ感激した。直のこと、ずっとだいじにするからね。
直:それはこっちのセリフだよ。なんかぼくも泣けてきた。
翼:直、泣かないで。いつもオレがいるからね。
なんか今回は調子が狂ってしまったようで、翼にずっと主導権をとられてしまっていたようだ。
涙をふいていると、男性が最初にあった女性を連れて、中に入ってきた。ぼくたちは、オルガンのお礼を言いい、外に出た。
ぼくたちは無言のまま、アルプスの山々に囲まれた高原を歩いた。やっと翼と気持ちまで結ばれたような気がした。
ホテルに戻って、早めに夕食をすませて、部屋に戻ると9時になっていた。まだ山の頂上あたりに明るさがすこし残っていた。
ミューレンのホテルからの見えるアイガーとユングフラウ
(このあとことは大切に書きたいので、次回にということにします。また引っ張ってしまってすみません・・・ 次回はやっと直と翼の××です)
まだ早かったので、ミューレンを散歩するためにホテルを出た。教会があったので近寄っていくと、正面のドアが開いて女性が出てきた。ぼくたちを見て、中を見たいんだったらどうぞ、というので、ぼくたちは中にはいることにした。
中では作業服の男性が、パイプオルガンの調整をしていた。ぼくたちが見ていると、調整が終わり、男性は鍵盤の前の椅子に座り、試し弾きをはじめた。弾き終わるとぼくたちのほうを振り返って言った。
男性:いい音だろう。
直:バッハのコラールですね。
男性:よく知ってるね、あんたらの国でもバッハは有名なのか?
直:だいたい知ってますよ。ぼくも弾いてみていいですか。
男性:オルガンは弾いたことあるのかい?
直:はじめてですけど、難しくないコラールだったら弾けるかも・・・
ぼくは有名なバッハのコラールのピアノ編曲版を弾いてみた。タッチがぜんぜん違うので、滑らかに弾けないけれど、なんとか最後までいくことができた。
男性:驚いたね、うまいもんだ。俺は、修理終了の報告をしてくるから、戻ってくるまで弾いてていいよ。
そういって男性は出ていってしまった。
翼:直、うまいじゃんか。
直:パイプオルガンは初めてだったけどね。
翼:直の部屋のデジタルピアノ、飾りじゃなかったんだ。でもオレのまえでは弾かないね。
直:なんか、練習してるの聞かれるの恥ずかしいからね。
翼:もう一曲なんか弾いてくれる?
直:そうだ、今のぼくたちにちょうどいい曲、思い出した。
翼:オレも知ってるような曲?
直:ぜったい知ってるから、聞いてごらん。
ぼくはワーグナーの結婚行進曲を弾いた。ピアノと違って荘重な響きなのでゆっくりと弾く。最初のテーマの部分はちゃんと覚えていたけれど、中間部のあやふやなところは適当に省略して、最後のテーマの部分はちゃんと弾いて終わった。
弾き終えると、ぼくは翼を連れて入り口のところに行き、翼の手をとって、祭壇への通路を、結婚行進曲のテーマを口ずさみながらゆっくりと進んだ。
祭壇の前で、翼に向き合って僕は言った。
直:翼、ずっとぼくといっしょにいてくれる?
翼:・・・、なんかオレ感激して泣けてきた。
直:翼、返事は?
翼:オレでいいのか?
直:翼のほうこそ、ぼくでいいの?
翼の涙で濡れた顔が近づいてきて、ぼくは翼にキスをされていた。ほんとうはぼくのほうから、翼にしなければならないのだけれど、翼に先を越されてしまったのだった。
翼:オレ、めちゃくちゃ感激した。直のこと、ずっとだいじにするからね。
直:それはこっちのセリフだよ。なんかぼくも泣けてきた。
翼:直、泣かないで。いつもオレがいるからね。
なんか今回は調子が狂ってしまったようで、翼にずっと主導権をとられてしまっていたようだ。
涙をふいていると、男性が最初にあった女性を連れて、中に入ってきた。ぼくたちは、オルガンのお礼を言いい、外に出た。
ぼくたちは無言のまま、アルプスの山々に囲まれた高原を歩いた。やっと翼と気持ちまで結ばれたような気がした。
ホテルに戻って、早めに夕食をすませて、部屋に戻ると9時になっていた。まだ山の頂上あたりに明るさがすこし残っていた。
ミューレンのホテルからの見えるアイガーとユングフラウ
(このあとことは大切に書きたいので、次回にということにします。また引っ張ってしまってすみません・・・ 次回はやっと直と翼の××です)
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