世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
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翼と直の新婚旅行(?)その1
翼との新婚旅行の第一日目は、早起きで始まった。成田空港に8時半ごろまでには着きたいので、うちを出たのは6時過ぎだった。翼はすでに休みが始まっていたので、すでにぼくのマンションで泊まっていたので、朝早くても一緒に出ればいいのだが、意外なことに早く起こすと翼は少しぐずって、なかなか目を覚まさないのである。何度からだを揺すって起こしても「眠いよ~」と珍しく甘えた声を出すので、ぼくのほうもなんとなく起こしづらいのだ。といっても出発の時間は決まっているので、心を鬼にして翼を少し乱暴に揺すると、翼も仕方なく不機嫌なまま目を覚ました。翼は寝る前とかの眠い時だけ甘えてくることがあるのだけれど、ちゃんと目が覚めているときにはあまり甘えてこないので、ぼくにとってはちょっと貴重な時間なのだ。
というわけで、翼がなかなか起きなかったものだから、朝食を食べる時間がなかったので、乗換駅のカフェでサンドイッチとコーヒーで軽く朝食をとった。
空港でチェックインをすませ、荷物を預けた後、出国手続きをすませて、出発ゲートに行った。翼は海外旅行は二回目だという。二十歳の時にとったというパスポートを見ると今よりもさらにかわいいのだ。

直:翼ってマジかわいかったんだな!!!
翼:子供ぽかっただけだよ。かわいいって言うの禁止だって言ってなかったっけ?
直:でも今のほうがいい顔してるよ、ほんと・・・
翼:顔をほめられてもぜんぜんうれしくない!

あんまり言うと翼を怒らせてしまうのでやめたけれど、翼が二十歳のときも見ておきたかったなと本気で思った。
飛行機は10時半に成田を出発した。目的地のチューリッヒまでは12時間以上の飛行時間なので、一人で乗っているとものすごく退屈するのだけれど、翼とときどき話しているだけで、驚くほど早く時間がたっていく。翼はゲームをしたり、映画を見たりして、けっこう楽しそうである。
時間よりも少しだけ早くチューリッヒの空港についた。なんなく入国手続きを終えて、荷物が出てくるのを待つ。翼は新婚旅行だからと言って、新品のリモワのスーツケースを買ったのでピカピカなので、出てくると一目でわかる。ぼくの少し傷のついたスーツケースも翼のと並んで流れてきた。
空港内のスイス国鉄の駅に行き、ベルン行きの列車、インターシティに乗る。

翼:全部二階建てなんだね。二階に乗ると眺めよさそう。
直:でも荷物があるから、できたら一階部分に乗りたいね。
翼:あっそうか、荷物のこと忘れてた。
直:翼、見てごらん。列車に三ヶ国語で略語が書いてあるだろう?
翼:駅の人とかはなんかドイツ語みたいなのしゃべってたよね。
直:このあたりはドイツ語圏だね。あとはレマン湖のあたりがフランス語圏で、スイス南部はイタリア語圏。その三ヶ国語が書かれてるわけ。
翼:そういえば、さっき通路を譲ったらメルスィって言ってたけど、あの人はフランス語圏から来た人かな。
直:ドイツ語圏でもありがとうはダンケじゃなくてメルスィって言うこともあるみたいだよ。

列車は一時間ちょっとでベルンに着いた。まだ7時前で、この時期このあたりの日没は9時ころだから、まだ昼のように明るい。
日本から予約してあるホテルは駅から200メートルくらいなので、荷物を引っ張って歩いてもそれほど遠くはないし、タクシーに乗ろうとしても近すぎて行ってくれないだろう。

翼:あのレンガ造りの建物がホテル?
直:そうみたいだね。
翼:すげえ古い感じ、でもなんかヨーロッパの建物って感じ。
直:でも中はずいぶん改装されてるみたいだよ。

立派なフロントでチェックインをして、ベルボーイに案内されて部屋に行き、設備の説明をうけていると、荷物も届いた。

翼:外はクラシックなのに中はけっこうモダンなインテリアだね。
直:気に入った?
翼:窓から見える町並みもなんかすごく整ってきれいだよね。
直:別にダブルの部屋でよかったんだけどね、なんかツインの部屋にしてくれたみたい。
翼:このベッドダブルじゃないんだ?
直:シングルが二つくっついてるんだよ。
翼:なんか直ってがっかりしてない?
直:だって新婚旅行なんだぞ・・・
翼:ほらキスしてあげるから、機嫌直しなよ。

いきなり翼がのしかかってきて、ぼくはベッドに押し倒されて、キスをされてしまった。これはほんとうはぼくのほうがやることなのだけど・・・

翼:今日はこれで終わり!
直:ええ!それはないぜ。ぼくはよくてもここが許してないよ。

ぼくは翼の手をとって、テントを張っている中心部に持っていった。

翼:あいかわらず直のここは元気だよね。でもさ、まだ外は明るいから少し街を見に行こうよ。だってせっかくスイスに来てもったいないじゃん。
直:しかたないなあ。
翼:そんなモッコリじゃ外に出られないじゃん、早く小さくする!
直:こればっかりは思うようにいかないんだよね。

しばらくして平常時に戻ったのでぼくたちは街に出た。大きな時計台があってたくさんの人が見上げている。5分ほど待っていると、上のほうでからくりが動き始めた。少ししてからくりが動きを止めたので、この先何が起こるんだろうと、たくさんの見物人とともに待っていたが、何も起こらない。どうもさっきの動きだけで終わりのようである。なんだという落胆が見物人のあいだに広がる。

翼:なんか期待しちゃったせいか、ちょっとがっかりだったね。
直:まあ時計台のからくりってこんなもんなんじゃない。
翼:古い時計台に石畳の道、おとぎ話みたいな家が並んでて、ほんとヨーロッパに来たって感じがする・・・
直:気に入ってよかった。次は連邦議事堂の建物を見に行こう。
翼:この通り、車が入ってこないんだね。
直:ヨーロッパの街は旧市街は車乗り入れ禁止のところがけっこうあるよ。でも路面電車は走ってるだろう。
翼:そうか、みんな街には電車で来るんだね。

その夜は、二人ともあまり空腹を感じなかったので、軽いものを食べてホテルに戻った。
ホテルに戻るとぼくはやる気満々で先にシャワーを浴びて、ベッドで翼を待った。翼のシャワーがなかなか終わらないので、疲れていたぼくはそのまま翼が戻ってくる前に眠ってしまったのだった。

翌朝目が覚めると、翼はまだ気持ちよさそうに眠っていた。翼のものを探ると朝立ちのせいで、半分勃起していた。しばらく擦っていると、だんだん硬さを増してきたので、強く擦ってみると、いきなり翼が目を覚ました。

翼:直、またいたずらしてたな。もう、せっかくいい夢見てたのに、起きちゃったじゃないか・・・
直:どんな夢見てたのさ。
翼:あとで教えてあげるから、今はおれションベンしたいから、トイレに行く。
直:少し翼とスキンシップしたいのに・・・
翼:今朝は観光するんでしょ。直も早く顔を洗う!

ぼくたちは朝食前にちょっとホテルを出て、古い街並みの中を歩いて、川を渡って対岸の丘に登っていった。丘の上は公園になっていて、眺めのいいところにオープンテラスのカフェがあったので、そこに座って街をゆっくりと眺めることにした。

翼:なんかすごいいい景色。こんなの初めて見た。
直:なんかベルンの町が一望できる最高の場所みたいだね。
翼:右の方の木の枝の向こうに見えるのが昨日行った連邦議事堂だね。
直:そうするとホテルはあの辺かな。
翼:直、ありがとね、こんないいとこ連れてきてくれて。
直:少しは見直した?
翼:うん。直ってひょっとしたら、オレにとってほんとうはけっこう掘り出し物だったりして。
直:こらあ! 

ぼくは翼の頭を軽くはたいた。翼はお返しと言って、ぼくのわき腹を拳骨で殴るふりをした。
ぼくたちはとても幸せな気分でホテルまでベルンの古い街並みを歩いて戻った。

ベルン
対岸の丘の上のカフェから見たベルン旧市街の街並み


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