世界地図は夜作られる
男のオネショについて、あんな事こんな事(体験談や思い出等)を語り合いましょう。ゲイ表現が含まれていますのでご注意ください。
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秀の頼み事
今週のある夜、久しぶりに秀から内線で電話がかかってきた。何の用かと思っていたら、珍しく飲むお誘いだった。
秀:直、今夜ちょっと飲みに行かねえか?
直:急にどうしたんだよ?
秀:たまにはさみしい一人暮らしの直ちゃんを元気づけてやろうかと思ってさ・・・
直:いいよ、間に合ってる。
秀:なんだよ、どうせ暇なくせに・・・
直:それほど暇じゃねえよ。
秀:どうせさみしくウチに帰って、一人遊びでもしてるんだろう?
直:バ~カ、するか!
秀:とにかく今夜、仕事終わったら電話しろよ。
直:なんでそんなに飲みたがってるんだよ、なんか魂胆があるな。
秀:あ~ら、直ちゃんったら、いつもはチョー鈍感なくせに、こんなときだけ鋭いんだから・・・
直:気色悪いオネエ言葉使うな、誰かに聞かれたらどうするんだよ。
秀:ちょっと直に頼みたいことあってさ・・・
直:なんだよ、その歯切れの悪い言い方は・・・ どうせろくなことじゃないな。
秀:とりあえず夜、話すよ・・・ じゃあ、あとでな・・・
そう言って秀は電話を切ってしまった。どうせろくな話じゃないことはわかっているのだけれど、なんかちょっと気になる秀の話だった。
少し残業をしたあと、秀と会社を出て、あまり会社の人が来ないほうにある、ちょっとした個室ふうの席のある店に入った。
秀:ここなら、話を人に聞かれる心配はないな・・・
直:なんだよ、秀、思わせぶりなことばっか言って・・・
秀:直って、ぼけっとしてるようでいて、けっこうしっかりしてるんだよな・・・
直:なんだよ、人を怒らせるために飲みに誘ったのか?
秀:ほめたのに、なんで怒るんだよ・・・
直:そんで、頼みにくい話っていうのはなんだよ?
秀:これは無理に頼むんじゃないぞ、直がいやじゃなきゃやってくれるとうれしいなという話なんだけどね・・・
直:相当頼みにくい話なんだな?
秀:直なら、俺たちと違って、ずっと適任だと思うな・・・
直:だからなんなんだよ、はっきり言え、はっきりと。
秀:あのな、松本のこと・・・
直:断わる。
秀:直ちゃん、こわい・・・ とりあえず話だけでもさせろよ・・・
直:じゃあ、ちゃっちゃとわかりやすく話せ。
秀:このところ松本のやつ、すげえことになってるんだよ・・・
直:ぼくにはなんの関係もない話だな・・・
秀:冷てえやつ・・・ あのひねくれものの松本がなぜか直には懐いてるんだ、ちょっとは気にかけてやれよ・・・
直:だからどうしたっていうんだよ・・・
秀:なんか今月になってから、松本、目に見えてテンションが下がっててさ、今週はもうほとんど廃人化してる・・・
直:どうせ、女にでも振られたんだろう。
秀:直ちゃん、こういうことには鋭い!
直:松本君は振られたとき以外はぜったいに落ち込むようなたまじゃねえもん・・・
秀:そうなんだよ、あのはねっかえりの松本がとことん落ち込んでるんだぜ・・・ 仕事のほうもほどんど上の空で、そんで部長が俺になんとかしろって言ってきたんだよ。でもいくら落ち込んでても、松本は人の言うことを聞くようなやつじゃねえしさ・・・ どうしようかと思っていたら、あの野良猫が唯一懐いてる直ちゃんのことを思い出したってわけ・・・
直:そんなときに思い出すな、まったく・・・
秀:なあ、直、友達と見込んで頼むよ、近いうちに松本と会って、ちょっとだけでも話を聞いてやってくれないか?
直:まったく、都合のいいときだけ、へんなこと頼んでくるんだもんな・・・
秀:じゃあさあ、明日の夜でも、直がよければだけど、松本と二人でちょっと飲みながらでも話を聞いてやってくれよ、頼む!
直:まったくしょうがねえなあ・・・
秀:直ちゃん、そういう優しいところが好き!
直:バ~カ、オネエ言葉、使うな言うたろうが!
秀:こんなこと頼めるのは直しかいないんだよ、悪いな・・・
直:会って話し聞いてやるだけだぞ・・・
秀:誰かに話せば多少は落着くんじゃないかと思うんだ・・・
直:松本君ももうすこし生き方に余裕があるといいだけどね・・・
秀:あいつなりにがんばってるんだろうけど、ちょっといっぱいいっぱいだもんな・・・
直:秀みたいに余裕でなんでもできちゃうやつがいるから、松本君はそれを追うだけでいっぱいいっぱいなんだろうな・・・
秀:俺だって見えないとこでけっこうがんばってんだぞ・・・
そんなことを秀からなりゆきで頼まれてしまった飲み会だった。秀は頼みにくいことを頼むという後ろめたさがあるのか、しきりにぼくに飲ませようとするので、帰るころにはかなり飲んでしまっていた。それでもなんとかマンションまで帰り着いて、スーツを脱いだだけで、倒れこむようにベッドに寝たのだった。(つづく)

テーマ:GAY - ジャンル:アダルト

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